「五節句を祝う」端午の節句

お陰様で「端午の節句」の展示公開も2回目を迎えることができました。
今年は、奥座敷の続き間にも展示を広げ、お洒落可愛い兜飾りと三代続く筒描き手染め工房の作「小栗判官鬼鹿毛」(筒描き&柿渋染め)や手作りの薬玉(くすだま)を設えました。


昨年とはひと味違う趣にて開催いたします。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
皆様にお目にかかれますのを楽しみにしております。

日程

2024年
4月28日(日)~5月6日(月・祝)

10:00~17:00(終了)
※ 期間中は、休業日はありません。

健やかな成長への願い

5月5日は「端午の節句」。
現代では「こどもの日」として親しまれています。

江戸時代から公儀の祝日として定められ、武家では跡継ぎの男子の誕生は最大の慶事であったので、端午の節句に兜や幟旗を飾って盛大に祝い、庶民もまたそれに倣ったそうです。

このように、特に男の子の誕生を祝い、その健やかな成長を祈る行事として普及しましたが、1948年にはこの日を国民の祝日「こどもの日」(こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する)として制定されました。

遠き古より綿々と引き継がれてきた子どもたちの健やかな成長への願い。
日本の伝統文化の中に彩られた端午の節句にちなんだ品々を集め、展示公開(無料)しています。
急坂の続くつくば道のお休みがてら、ぜひお立ち寄りください。

端午の節句~菖蒲と薬玉~

◆ 端午の節句と菖蒲
端午の節句は、およそ2300年前の古代中国の邪気祓いを起源とする行事で、その邪気を祓う薬草として用いられたのが菖蒲です。
軒先に菖蒲の束を吊るしたり、菖蒲の葉を浮かべた湯に入ったりして厄除けと無病息災を祈っていました。

日本にこの行事が伝わってきたのは奈良時代頃で、その後、「菖蒲」と「尚武(武道や武勇を重んじること)」「勝負」の音が同じであることから、徐々に武家の行事へと姿を変えていきました。

鎌倉時代頃の武家では、梅雨前になると鎧や兜を出し、虫干しするために部屋に飾っておく習慣があり、この習慣と先述の菖蒲を用いた風習が重なり、徐々に現在の端午の節句のかたちに近づいていったといわれています。

◆ 端午の節句と薬玉
端午の節句には「薬玉(くすだま)」も飾られていました。
こちらも中国で行われていた端午の節句で魔除けとして使用されていた、香料や薬草を袋に詰めて飾り付けをしたものが始まりです。邪気を払い、不浄を避けるために柱や壁にかけていたと言われています。

「薬玉」を作ってみました

「薬玉」には様々な形があります。
ほぼ1年かけて展示用の薬玉を探しましたが、
気に入ったものに出会えませんでした。

「どうしても薬玉を飾りたい!」
そんな思いから

身近にあるもので「薬玉」を
作ってみました。
クラフトバンドで作った玉の中に
ハーブを詰めた袋を入れ、
蓬と菖蒲の葉をあしらいました。
袋に詰めたのは野原で摘んだ蓬と
ご近所の方からいただいたローズマリー。
右の写真はちょっとおしゃれに
ハーブを詰めた袋と一緒に

野の花や庭木の花を活けてみました。

薬玉は、9月9日の重陽の節句まで飾り
茱萸袋と掛け替えるそうです。

大空を泳ぐ「鯉のぼり」

昨年、「できるだけ大きな鯉のぼりを!」という思いで調達した、高さ12mの鯉のぼり!
来場された方はもちろん、地域久々の鯉のぼりに、ご近所の皆様もとても喜んでくださいました。
今年は、庭木の枝葉を随分伐採したので、つくば道からも西山通りからもよく見えます。

裏庭には、遊歩道を作り、邸内を1周できるようにしていますので、ぜひ間近で鯉のぼりをご覧になってください。
とても迫力があります💖

室内展示

玄関の間

次の間

次の間から奥座敷

奥の間

端午の節句を祝うかわいい仲間たち

輪島塗薬玉蒔絵椀

平成初期の鎧飾り

終戦直後の兜飾り
筒描き「後見の桜」

昭和末の兜飾り
昭和30年代の鯉のぼり飾り

平成10年代の兜飾り
筒描き「小栗判官」

明治「中厚藍木綿筒描彩色鳳凰桐花文様古布」

筒描「瀧昇鯉」

昭和「花菖蒲柄打掛」

掛軸「楠公幼時武遊之図」